1.マンション・バブルの現状
@中央政府、地方政府、不動産業者、消費者のにらみ合い状態が続くマンション価格や取引。 一進一退。
・2月の全国100都市の住宅価格、6か月連続で下落。
・2月の広州市の新築住宅販売面積は、前年同月比45%減。
・1〜2月の上海市の中古住宅取引面積は、前年同期比69%減。不動産販売面積は14%減。
・1〜2月の北京市のオフィスや商業施設の販売面積は、前年同期比40%減。住宅価格は今後、10〜20%の下
落。
・1〜2月の大連市の新築住宅取引件数は前年同期比37%減、中古住宅取引件数は同60%減。
・2月、北京・上海・広州などの不動産取引、大幅回復。様々な要因により落ち込んでいた第1線都市の不動産取
引件数は2月、大幅な回復を見せた。不動産アナリストは、これはデベロッパーによる値下げ、金融緩和政策、消
費者の不動産抑制策の緩和に対する期待などの要因によるものであると解説。
・17都市で、不動産価格抑制策の緩和傾向。
・3/06、財政部の謝旭人部長は、まだ不動産抑制策が不十分だとして、固定資産税に当たる「不動産税」の対象
地域を拡大する意向を示した。現在は上海市と重慶市で試行中。
A上海市の状態
上海市では、3/15〜18の4日間、市内中心部の上海展覧中心で、恒例の不動産展示会:「第14回“上海の
春”不動産展覧会」が開催された。以下はその様子。
・主催者側は、展示業者200社、入場者12万人を見込んでいたが、それぞれ60社、8万人程度にとどまった。し
かも展示業者の1/3は海外物件の紹介業者であった。今までの入場者数は最高で16万人であり、今年は半減。
・物件価格は、ほぼ昨年比20〜30%下落。それでも期間中の成約はきわめて少なかった模様。入場者はまだ下
落するという観測で、購入決定する人が少なく、情報収集のみに来た人が多く、現地視察のバスは物見遊山気分
の人たちで結構賑わっていた。
・今回は大手不動産会社が、ほとんど出展せず。中小の不動産会社があの手この手でセールスを展開しており、
戸別案件をプラカードなどで知らせる手口も多かった。
B地方財政の状態。
一般に地方政府財政は、土地売却収入に、その4〜7割を依存していると推測されている。したがって、このまま
マンション価格の抑制策が続行されると、間違いなく地方財政は破綻する。たとえば広州市では土地売却収入は財
政の4〜5割を占めており、中央政府の価格抑制策の結果、昨年は土地売却収入が4割減の300億元ほどになっ
た。北京市では今年の土地売却収入を前年比27%減と見積もっており、財政赤字が拡大する。これらの結果、地
方政府はもちろん従来のようなインフラ整備や社会保障が不可能となり、同時に家電や新エネ車の購入に際して
の補助金の支出もできなくなる。もちろん多額の地方債務は返済不可能となる。
今回の全人代では、地方政府の代表が、「価格抑制策を続行する一方で、関連政策を通じて適度な微調整を行
い、マンションの購入を奨励し、投機・投資を抑制するべきだ」と発言した。すでに昨年下半期から北京、上海、杭
州、重慶、武漢、南京などの17都市では、それぞれの地方政府が中央政府の実施してきた不動産抑制価格政策
に対して微調整を行い、少しずつ緩和し始めているという。しかしながら地方政府がそれを公然と発表すると、中央
政府はただちに介入しその措置を撤回させている。たとえば安徽省蕪湖市では普通住宅購入の優遇政策導入発
表3日後に、それを撤回させられており、上海市では住宅購入条件の一部緩和案を発表1週間後に、撤回に追い
込まれている。
C温家宝首相発言、「住宅価格抑制策、堅持」
温家宝首相は3/14、全人代閉幕後の記者会見で、下落傾向が鮮明になっているマンション価格が、地方財政
に圧力を強め景気減速を助長しているとの見解について、「人民の収入に比較して合理的な水準まで下がったと
は、まだとても言えない」と語り、現行の価格抑制策を堅持する方針を表明した。また地方政府が土地の売却で大
きな収入を得ており、これが改革に対する強い抵抗になっているとも語った。
2.商標争議の多発
このところ中国では、商標権にまつわるトラブルが多発しており、中国事業の大きなリスクとなってきている。中で
も米国のアップル社の「i Pad」の商標争議が注目されているが、その他にも頻発しており、2010年の中国での商
標権を巡る案件の裁判所の受理件数は8460件を数えるという。インターネットの普及とともに、外国の企業の情
報が即座に入手できるようになり、同時に商標登録手続きなどが簡単になったため、中国人の個人が中国市場に
参入しようとする企業の製品などの商標を、先持って登録してしまい、実際に外国企業が参入してきたときに高く売
りつけるという動きが顕著になってきている。このような傾向に対して、大手企業の中には、新製品の発売前に、ま
ず中国での商標登録を済ませておくという戦術を取る会社も出てきたほどである。
私は2003年に、この商標権のリスクの問題を日本企業に大きく提起したが、そのとき私の警告に耳を貸した企
業はきわめて少なかった。当時、中国企業が「青森」という商標を登録して問題になっていた。私は中国の弁護士と
いっしょになってこの問題を勉強し、法規関係にいろいろな落とし穴があることに気が付いた。ことに中国国内市場
に販売するのではなく、製品を委託加工し日本市場で販売する場合にも、もし日本企業のブランドが勝手に中国で
商標登録されていると、輸出差し止めという事態もありうるということを知って、わが社の取引先に、中国市場での
商標権の登録を依頼して回った。その結果、わが社の主要取引先企業は中国人の先手を打って、商標登録を済
ませた。したがってこれらの企業は現在、大手を振って中国市場に進出している。しかしながら当時、他産業界で
は、このリスクをいくら説明しても、それを理解し、商標権の登録という行動を起こす企業がほとんどなかった。
今年1月に発刊された「中国ビジネス 技術・ブランドの活かし方」(経済産業調査会)という著書の中でも、かつて
私が提起したリスクについて明記しているので、下記に示しておく。
日本国内や先進国相手の製造委託契約の場合、通常、中国側が日本側の商標を付した商品を製造したり、その
まま日本の店頭に出せるように当該商標を付した包材に収納した形態で対日輸出したりすることとなる。しかし、商
品は中国で流通しないので、中国での商標権は本来不要である。ところが、中国ではニセモノといった権利侵害行
為が顕著なので商標権を管理する当局や税関当局が密告などに基づき、疑わしい工場やコンテナを検査する場合
がある。ここで、第3者が抜け駆け的に中国で同一または類似の商標権を登録していた場合、これら中国当局は
権利関係の適否を確認せざるを得なくなる。当該工場または荷主に対して商標権の権利者からの使用許諾を問い
質し、回答が得られるまで工場の操業や通関が停止させられてしまうことになってしまう。こうした問題がときおり発
生することから、工場の操業や対日輸出を安定的にオペレーションしたい場合には、日本側が中国での商標権を
取得しておき、それを中国側に使用許諾しておくことが望ましいという結論になる。
《 代表的な商標権争議など 》
・中国の情報機器メーカー「唯冠科技」は、3/07、米国アップル社のタブレット型多機能携帯端末「i Pad(アイパ
ッド)」が自社の商標権を侵害しているとして、アイパッドの中国内販売の中止を、中国国内の関連業者に向けて公
開書簡で訴えた。なお、アイパッドの商標権を巡っては、現在、両社の間で、広東省の高級人民法院で係争中、1
審判決ではアップル側が敗訴。台湾には「唯冠科技」と同一代表者の「唯冠台湾」があり、アップル社はこの台湾の
会社から、中国におけるアイパッドの商標などを購入したと主張。しかしアイパッドの中国での商標権者は「唯冠科
技」であり、この契約は無効と判断された模様。この争議を巡っては、「唯冠科技」の経営が不振であることもあっ
て、かなり複雑な様相を呈している。
2/23、上海市の浦東新区人民法院は、「唯冠科技」の販売差し止めの訴えを退け、上海市内でのアイパッドの
販売継続を許可した。
3/04、台湾金融大手・富邦グループ傘下の富邦保険が、深?市中級人民法院に「唯冠科技」の破産申請。破産
手続きが進行した場合、アイパッド商標権訴訟は停止。
3/07、「唯冠科技」の債権者である中国の大手銀行など、新たにアイパッドの商標権を主張。裁判は継続の方
向。
3/13、「唯冠科技」は、アップルに対してテレビ公開討論を求める。アップルからの賠償金で債務を返済し、破産
回避を目論む。
・米国の元プロバスケットボールのスター選手だったマイケル・ジョーダン氏は、自分の名前を無断で商標登録した
として、スポーツ用品大手「喬丹体育」(福建省晋江市)を中国の裁判所に訴えた。ジョーダンを中国語で表記する
と、「喬丹」となる。裁判所はこの提訴を受理した。なお、「喬丹体育」の2010年度の売上高は29億1000万元
(約370億7400万円)であり、傘下の店舗数は中国全土に5000店を超えている。
・仏のエルメス・インターナショナルは、類似の商標を中国企業に登録され、不正使用されているとして、中国の裁
判所に登録抹消を求めて訴えていたが、このほど裁判所はエルメスの申し立てを却下した。エルメスの中国語表
記は「愛馬仕」だが、中国広東省の紳士服メーカーが、1995年に「愛瑪仕」を登録し、製品の販売を始めたので、
97年以降、エルメスは繰り返し中国の商標当局に異議を申し立てていた。
・日本の大手居酒屋チェーン「白木屋」・「笑笑」の運営会社のモンテローザは、ほぼ同一名の飲食店が、中国全土
で12店舗、台湾で2店舗確認されたとして、それぞれ現地で商標の差し止めなどを求めて、裁判手続きに入った。
同社はすでに中国で商標権を取得している。
・日本の人気漫画「クレヨンしんちゃん」のデザインと中国語名称「蝋筆小新」が、中国広東省広州市のメガネ会社
によって商標登録されていたが、3年間、その商標が使用されなかったとして、このほど登録が取り消された。
・ソニーとスウェーデンの通信機器大手エリクソンの合弁携帯電話会社ソニー・エリクソンは、中国名の略称を中国
人の個人が2004年に登録しているため、裁判に訴える予定。
3.河村名古屋市長の南京発言。
河村たかし名古屋市長の発言から、にわかに名古屋市と南京市の関係が緊張してしまい、交流イベントなどが中
止に追い込まれてしまった。両市は1978年の友好都市関係を結び、以来34年間にわたって交流が続けられてき
た。今夏にも中学生のスポーツ交流、南京市での名古屋の観光プロモーションが予定されている。また江蘇省には
県内企業が100社以上進出している。それらへの影響を最小限にするためにも、河村市長の早期の謝罪発言が
望まれる。
愛知県立大の與那覇潤准教授は、「南京事件そのものがなかったとの考えを支持するプロの歴史学者はいない」
と発言している。また中国の楊伯江国際関係学院教授は、「南京大虐殺は政府レベルの交流では、通常双方共に
避けている問題だ。犠牲者の具体的人数について、ずっと見解が一致しないからだ。現在、政界も学界も民間も、
日本人の大部分はすでに南京大虐殺の存在を認めている」、「中日双方ともに、これが原因で中日関係の大局に
影響が生じることは望んでいない」と発言している。私も両教授と同意見である。
2/20の河村発言の後、南京市政府を含む中国側は、従来よりも柔軟な姿勢を示している。ただし21日午後
に、ネット上で反日人士の、南京市政府の弱腰を激しくなじる文言が飛び交うようになり、南京市政府は交流停止を
発表せざるを得ない事態に追い込まれたようである。現在、中国政府は日中の間で、事を荒立てようという姿勢で
はない。それが広東省の汪洋書記のような発言にも現れてきているのである。中国政府は、日中国交正常化40周
年の今年、再び、日本政府や企業との交流を活発にしようと考えている。その気運をぶち壊すような軽率な発言は
厳に慎むべきである。
《河村発言、その後の経過 》
・2/20、河村たかし名古屋市長は、市役所で中国共産党南京市委員会の訪日代表団に面会。その席上で、「南
京事件というのはなかったのではないか」と発言。
・2/20、中国外務省の洪磊副報道局長は、定例記者会見で、「南京大虐殺には動かぬ証拠がある。歴史の教訓
をくみとり、中日友好関係を健全かつ安定的に発展させるよう希望する」と発言。
・2/21夜、中国江蘇省南京市政府は、「名古屋市との交流を一時停止する」と発表。
・2/22、藤村修官房長官は、定例記者会見で、「地方自治体の間で適切に解決されるべき問題だ」、「旧日本陸
軍の南京入場後、非戦闘員の殺害や掠奪行為があったことは否定できない」と述べた。
・2/22、中国外務省の洪磊副報道局長は、定例記者会見で、「日本に抗議した」と述べ、その一方で日中国交正
常化40周年を迎え、両国関係の安定と発展を推進したいとの考えを示し、政府として外交問題化させたくない意向
を示唆した。
・2/22、中国共産党広東省の汪洋書記は、訪問中の丹羽宇一郎大使に、「両国政府、特に指導者は冷静に判
断して問題に対処し、解決を図らなくてはならない」と述べた。また「日本企業の中国進出や経済協力がなければ、
中国の改革・解放もなかった」との認識を語った。
・2/27、3/02からの南京市の柔道施設の開館2周年行事の中止決定。
・2/28、江蘇省政府、省内の職員の愛知県への渡航禁止。
・3/01、上海の日本総領事館、南京市で9日から開催予定の日中共催イベント「南京ジャパンウィーク」延期決定
発表
・3/01、野田首相、「南京市と名古屋市との関係の中で、早く適切に解決されることを期待する」と、政府として関
与しないことを表明。
・3/06、楊外相は全人代第5回会議の記者会見で、日経記者の質問に、「両国関係に横たわる歴史問題や釣魚
島などの敏感な問題については、日本側にはこうした問題の複雑さと敏感さを十分に理解してほしい。両国の政治
基盤や大局にかかわる問題であるため、日本側は“歴史を鏡とし、未来に向かう”ことを真に実践し、両国関係の
大局から問題を着実に処理するべきだ」と述べた。
・3/07、南京市人民代表大会常務委員会の陳家宝主任は、「河村市長が誤った発言を認めて撤回し謝罪すれ
ば両市の関係は元のようによくなる」と発言。またこの問題が日中の国レベルの関係悪化に発展するものではない
との認識も強調した。
・3/15、文教大学湘南キャンパス(神奈川県茅ヶ崎市)国際学部で、映画「南京!南京!」が上映され、終了後に
は監督の陸川氏を囲んで、2時間の交流会が行われた。
4.その他の中国情勢。
@最低賃金上昇・人手不足の現状。
・中国政府当局は2011年度、25省・直轄市・自治区で最低賃金が引き上げられ、引き上げ幅は22%に達したと
発表。
なお、2010年度は、30省・直轄市・自治区で平均24%引き上げられている。また政府は、今後5年間、年平均1
3%のペースで引き上げる方針。
・珠江デルタ地区の製造業の55%は、春節前後に5〜30%(平均で10.4%)の賃金を引き上げた。
・広州市の一般ワーカーの月額平均賃金1800〜2300元(前年比27〜38%アップ)、高級技術工3500〜400
0元(9〜11%アップ)。
・中国政府当局は、中国全土の農民工の平均月収が、2011年度、2049元(前年比359元アップ)に達したと発
表。
・中国民間調査機関によれば、都市部女性の平均月収は約5000元。希望は1万元。
・武漢市民の平均月収希望額は、8000元以上。
・広州市における2012年度、大卒新人の平均初任給は、月収2200〜4800元(昨年比10%増)。
・民間調査機関によれば、珠江デルタ地区の人手不足は過去最悪。
・広州市では、同市内の70%の企業が、人材確保が難しいと回答している。
・広東省人力資源・社会保障庁は、繊維・皮革・飲食などの労働集約型産業やサービス業では80万人の人手不足
状態。逆に事務職などを中心に80万人の就業枠が不足すると予測。
・中国当局は、2012年度に都市部に流入する新規労働人口は2500万人(そのうち半分は大卒などの若年層)
に達すると予測。同時に沿海部では製造業の人手不足が深刻であり、「労働需給の構造的なミスマッチ」に懸念。
A温州債務危機と裁判。
・温州市では、昨年1年間で、違法金融により少なくとも10人が自殺、200人が逃亡、284人が当局に拘束。昨年
後半から、温州市の公安機関が立件した金融犯罪は105件、金額にして128億元。
・温州市で債権者147人が7000万元の賠償を国家に請求。温州市にあるネズミ講式高利貸し組織「立人集団」
の一部の債権者147人は、2月末、温州市泰順県政府と公安局を相手に、7000万元の支払いを求めて、温州市
中級人民裁判所に起訴状を提出した。破産状態となっている「立人集団」の債務の総金額は45億元、債権者数は
7000人に及ぶと言われている。起訴状ではこのネズミ講に関与している債権者は、上は政府の幹部やその家
族、下は一般農民まで、泰順県の80%以上の家庭がこれに関わっており、総金額を100億元を超えるとしてい
る。
今回の起訴状では、「“立人集団”の責任者は、2010年10月31日に債務返済を不可能と公表したが、その後
《1》債務者は速やかに破産手続きに入らなかった、《2》大口債権者がすみやかに破産を申請しなかった、《3》現
地政府が破産申請を通じて、すみやかに再建の措置を取らなかった」ことに疑義があるとしており、「それは幾人か
の限られた大口債権者に優先的に残余資産を持ち逃げさせる余裕期間を作ったからであり、その証拠がある」と
指摘している。
B治安維持費の増加。
・全人代で承認される今年度の国内の治安維持などに充てる公共安全予算は、前年実績比11.5%増の約701
76000万元。国防予算の約6702億元を上回る。
C国債・地方債の発行動向。
・3/13、安住淳財務省は記者会見で、中国国債の購入について、中国当局が上限650億元(約8500億円)の
購入枠を許可したと発表。中国人民銀行の易鋼副総裁は記者会見で、「日本の中国債券市場への投資を歓迎す
る。中国も、日本の国債・債券市場に投資する」と発言。
・3/06、中国工商銀行の楊凱生董事長は記者会見で、中央と地方を合わせた全国の政府債務残高が約17兆5
000億元(約226兆円)、国内総生産(GDP)比は43%と発表し、同時にこの債務比率は、日本の180%、ドイツ
の83%をはるかに下回ると発言した。なお内訳は、地方政府残高が10兆7000億元、中央政府が6兆8000億
元。
・3/05、中国財務省の賈康財政研究所所長は記者団に対し、「地方政府には10兆7000億元の債務を返済す
るだけの金融資産と銀行と交渉できる能力ある」と発言。
・3/05、中国銀行の肖鋼董事長は記者団に対し、「同行の地方当局関連の不良債権比率は1%に満たない、地
方当局関連で広範囲なデフォルトが起こることはないだろう」と発言。
・2011、12年は、地方政府負債の第1償還がピークとなる期間で、総額4兆6000億元を返済しなければならな
い。2016から18年にかけては第2償還ピークの期間を迎える。
・中国政府は、2012年の地方債の発行額を2500億元(約3兆2000億円)と、前年比25%増の方針。
※いずれにしても中国政府は国債・地方債を増額し、インフラ整備や社会保障その他の資金を確保して行く方針で
ある。経済絶好調を誇る中国ならば、せめてまったく借金をしないで、理想の国造りを行って欲しいものである。悪
しき先進資本主義借金大国と借金額の多寡を競ってみても、それはまったく意味のないことである。
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