上海万博最新情報
上海万博最新情報 |
11.MAY.09 |
2010年5月1日の開幕が予定されている上海万博は、今、着々と準備が進んでいる。しかしながら昨年来の金融危機で、工期遅れや出展規模の縮小もささやかれている。また中国ならではの諸対策も講じられ始めている。今回はそれらの最新情報をお届けする。 一般情報 @万博会場の建設風景 万博海上の建設は急ピッチで行われている。ちょうど真ん中に位置する盧浦大橋からはその現場をじっくり見ることができる。橋の途中で停車するわけにはいかないが、橋のたもとで38元を払ってエレベーターに乗れば、ウオッチスポットに行くことができる。6月からはそのエレベーターも建設現場観光客を狙って80元に値上げされることが決まっている。まさに商魂たくましいというべきか。 ≪浦西の建設現場≫ ≪盧浦大橋のウオッチスポット≫ ≪浦東の建設現場≫ A外国展示館着工期限を6月30日に決定 上海万博事務協調局は、外国展示館=国家館建設の着工の最終期限を6月30日に決定したと発表。上海万博では約40か国が独自の国家館を建設予定だったが、昨年来の金融危機の影響からか、着工済みは15館程度だという。ことに米国館は建築費用(約60億円)の募金が集まらず苦戦中。 それでも4月に、在米華僑が米国館に1億ドルにのぼる資金提供を表明したといわれているので、早晩建設が始まるかもしれない。上海万博の関係筋は、「万博の組織側は、まだ建設工事を始めていない国との協議と交渉を強めていく」としている。 B中国館へぽんと14億円、28億円寄付 香港の有力実業家:李嘉誠氏が率いる不動産開発大手の長江実業とハチソン・ワンポアの幹部は、4月22日、兪正声上海共産党書記と会談し、万博の中国館に両社共同し総額1億元の寄付を申し出た。 次いで中国館は「上海煙草集団公司」から2億元の寄付を受け入れたと発表。 C万博テロ対策は3次元防御システム 上海公安辺防総隊の関係者は、上海南匯区で行われた上海万博海上安全防衛訓練誓立会で、「海底、海上、空中からなる3次元防衛システムを構築し、テロにつけいるスキを与えない」と話し、次のようにその内容を補足した。 万博期間中、フロッグマンが隠蔽偵察、秘密潜入、海底突撃、逮捕といった危険な任務を担う。目下、猛特訓中。 ヘリコプター・ロープ降下スペシャルフォースは、上海市公安局警察用ヘリコプターと協力して、迅速に目標地域に到達することを目指し訓練中。また海警1001鑑と協調して海空両面でのテロ対策を実施できるように計画中。 上海海域は全国沿海辺防総隊の30隻余りの艦艇と共に、万博海上安全防衛訓練を発足させた。 D上海市の万博効果観光収入は、3100億元? 上海市旅遊局の道書明局長は、万博期間中の上海の観光収入は3100億元に達するとの見通しを発表した。 ちなみに08年度の観光収入は2060億元。 E無料貸し出し自転車を用意 上海自転車展覧会組織委員会などが、広大な万博会場を考慮して、無料自転車1万台を用意するという。 利用者は20元の保証金を払って借り出し、返却時にお金を戻してもらう仕組み。貸し出し所は会場内に60か所設けるという。各自転車を無線管理できるようにし、それぞれの走行情報を前もって把握し、各パビリオンへ到着してからの待ち時間を短縮し、迅速に入館できるように工夫するという。もしこれが実現可能ならば画期的な試みなので、ぜひ私もこの自転車を利用してみたいと思う。 F浦東・浦西両会場をつなぐ専用トンネル、6月末に開通予定 万博の浦東・浦西をつなぐ専用トンネルが6/28から一部使用可能となる。全線開通は年末。このトンネルは盧浦大橋と南浦大橋の中間にあり万博観光には大変便利。その他、今年中に黄浦江をくぐるトンネルが数本開通する予定。 G万博訴訟サービスセンター設立 上海市浦東新区法院は4月30日、「万博訴訟サービスセンター」の発足式を行った。このセンターは万博関係の訴訟を専門に扱い、迅速に処理することを目的としている。万博関係者は「現在、万博の準備が進行している最中で、各種の矛盾が発生してきている。法院が万博区域の社会矛盾の解決に積極的に関与してくれることはありがたいことである」と語っている。 H万博関連建設事業の増値税返還システム完成 国家税務総局は2008年6月、上海万博への海外からの出展者が展示館の建設に使用した資材などの増値税を返還することを決定した。今回、それをより早く、より便利に行うためのシステムを完成したと発表。 2.上海世博会事務局の担当者からの宣伝情報(中小企業家同友会上海倶楽部事務局) @ 基本情報 ・公式名称 : 中国2010年上海万国博覧会(World Expo 2010 Shanghai China) ・テーマ : より良い都市、よりより生活(Better City, Better life) ・ロゴの意味 : イメージから見て、一つの3人家庭が抱き合って笑うかのようで、家庭の睦まじさを表した。 また「あなた、私、彼」と表現することで、全人類を包含していることを象徴し、万博の「理解、疎通、楽しく集う、協力」という理念を主張している。 ロゴ図案の形は、漢字の「世」と似ており、数字の「2010」と巧みに組み合わされて、漢字と数字のバランスがよ く、中国人民が共に世界的、多元文化融合的な博覧会を開催するという強い願望を表している。 このロゴは、全世界から募集し、専門家の審議を通じて、9046個の応募作品から選ばれた作品である。 ・参加状況 : 4月10日現在、196の国と国際機関が開催者との参加契約に調印。160の国と国際機関が陳列区域政府総代表を任命済み。 ≪公式参加国と国際機関、入場者数についての過去の万博との比較≫ ・1970年 大阪万博 77カ国・4国際機関 64,218,770人 ・2000年 ハノーバー万博 155カ国・17国際機関 18,000,000人 ・2005年 愛知万博 121カ国・4国際機関 22,049,544人 ・2008年 サラゴサ万博 103カ国・5国際機関 5,650,000人 ・2010年 上海万博 200カ国・国際機関 70,000,000人 A 会場計画 ・上海万博会場は、徒歩に適した距離や参観者の認知度などの諸要素を総合的に考え、黄浦江両岸を取り巻く南浦大橋と盧浦大橋間の濱江地区、浦東、浦西両部分から形成されている。 B会場整備 ・“4パビリオン”と “万博軸”は万博園区内の主な建築物であり、最も重要な展示と観賞区域であり、永久に保蔵する建物でもある、“4パビリオン”は万博センター、テーマ館、中国館及び演芸センターを指す。“万博軸”とは会場におけるセントラル交通の軸線である。工事全体は2009年末完成する予定である。 ≪浦東会場≫ ・万博センターは会期中式典、歓迎レセプション、シンポジウムなどを催す場所である、工事は2007年6月着工して以来、建物の構造が整備終了している。内装や展示などは2009年末に完成する予定である。 ・中国館は2007年着工、2008年12月に建物の構造建築が終了、2009年9月に完成予定となっている、テーマは「都市発展における中国の叡智」である ・テーマ館は2007年11月着工、2008年12月構造建築が終了、2009年9月に完成する予定である。万博のテーマであるベターシティー・ベターライフをかかげ、来場者に見学と体験をしていただく目玉となるパビリオンである。 ・万博演芸センターはパフォーマンスセンターとも称し、敷地は12.6万平方メートルである、ハイレベルの演芸ショーと文化イベントを催す場所であり、2009年内に完成する予定である。 ・インフラ設備の進行状況 万博村の建設は内装工事へと進んでおり、一部は使用可能となっている。 万博パークは外観ができあがっている。道路、橋や水門、黄浦江トンネル、地下鉄電車などの交通インフラも年内に相次いで完成予定となっている。 ・外国のパビリオン A、B、Cゾ−ンのパビリオン建設用地はすべて整地終了。日本を始め一部独自出展の国はパビリオン工事開始。レンタル館と共同館の整備は今年上半期完成、下半期に各国へ引渡す予定となっている。 ≪パビリオン出展三つの方式≫ ・自主 参加者が独自に設計建築を行う館 39の国と国際機関が参加契約調印 43の国と国際機関が陳列区域代表確定 32の国と国際機関がパビリオンデザイン提出 ・レンタル館:開催者が作り参加者にレンタルする館 30の国と国際機関が参加契約調印 34の国と国際機関が陳列区域代表確定 ・共同館 途上国が利用する館 150余りの国と国際機関が対象。 現在パビリオン外観デザインのデコレーションを募集中である。 C 交通インフラ整備 ・予測では来場者数のべ7000万人以上であり、一日あたりの平均来場者数のべ40万人、ピーク時一日あたりのべ60万人、最大80万人と予想している。 ・万博会場への交通アクセスは、地下交通の利用者は50%、地面公共交通の利用者は35%、水上交通の利用者は10%、その他交通の利用者は5%ぞれぞれと予想している。 ・現在、上海市内は地下鉄工事の真っ最中で、あちこちで道路が通行止めになっている。これも、2010年の万博に向けての布石で、現在総延長140キロしかない地下鉄網が、2010年には400キロとなり、一気に世界有数の地下鉄ネットワーク保有都市となる。そのほか、虹橋空港に鉄道・航空・地下鉄・長距離バスを組み合わせた交通ターミナルが完成する。上海駅・上海南駅とともに、巨大鉄道ターミナルが一つ増え、年間のべ8100万人の乗客をさばけるようになる。現在工事中の浦東国際空港の拡張工事も完成すれば、計画では年間8000万人の乗客を輸送できるようになる。地下鉄2号線も浦東空港まで接続され、空港アクセスは2空港とも地下鉄で可能になる。 Dベストシティ実践区 ・出展分野: 住みよい家、持続可能な都市化、歴史遺産の保護と利用、環境の科学技術革新がテーマ。 ・出展方式: 展示はシアター方式、フォーラム方式、マルチメディア方式、インターネット方式、展示板方式などさまざまな手段が可能である。 ・出展案件: ベストシティー実践区の全体配置と景観の最終全体設計案は現在確定され、すべての都市の実物案件は、建築デザインが提出ずみ。現在、開催者は41の都市事例と「出展契約」を結び、10あまりの案件が展示プランを提出、その内、複数の実物案件が着工、建築の段階に入っている。 E イベントなど ・上海万博開幕前後や、会場内外で各種イベント(出展者が行う各種商業イベントを含まず)が開催される予定である。 ・上海万博の会期は184日である。現在、会場内の公共活動場所は33カ所あり、1カ所当たり3回のイベントで計算すれば、毎日の会場内の各種イベントは100回に近い、イベント総数は2万回に達する見込みである。 前ページへ 次ページへ |
|