小島正憲の凝視中国

09年4月暴動情報


09年4月暴動情報
16.MAY.09
4月は暴動が少なかった。

また現地検証に行かねばならないほどの暴動もなかった。

下記に、4月の暴動情報を列挙する。                              

※暴動評価基準は文末に掲示。


@4/03 河北省保定市 人員削減に抗議、1000人以上がデモ  暴動レベル0。

・大手国有繊維メーカー:依綿グループ幹部は、業績低迷の結果、2004年、資産を香港の「亜芳集団」に売却した。

・このとき、国有企業幹部の間で不正がうわさされ、従業員側が現地当局に調査を要求していた。

・3月末になって、工場が他社に再売却され、4000人に及ぶ従業員の解雇の情報が流れた。

・1万人に及ぶ従業員が3月末から大規模なストライキに突入。

・4/03午前8時ごろ、1000人以上の従業員が陳情をするため、北京へ徒歩や自転車で向かった。

・従業員たちは保定市から100km以上歩いた地点の道路上で、当局側と武装警察700人に阻止されて、20台の大型バスで強制送還された。


A4/07 広東省広州市 暴徒が娯楽施設を襲撃  暴動レベル 暴動レベル1。

・4/07:午前5時、4〜50人の暴徒が6台の乗用車に乗って、娯楽施設「世界大観」の駐車場で刀や棍棒などを持って暴れ、同施設の窓ガラスやドアを割った。

・5人の警備員が負傷。

・暴徒の正体、襲撃理由は不明。


B4/13 重慶市 国有大手企業の従業員300人スト  暴動レベル0。

・国有大手繊維メーカー「重慶?陵金帝集団」の従業員数百人が、給料未払いに抗議して工場前の大通りに座り込み。

・4000人の従業員がリストラに抗議してストライキに突入したという報道もある。

・200〜300人の警官が出動。労働者数人を拘束し、事態を収拾。  


C4/14 四川省甘孜チベット族自治州巴塘県 武装警察宿舎放火でチベット人拘束  暴動レベル1。

・4月初め、巴塘県でチベット独立を求めた横断幕がかかげられたため、80人近い武装警察が乗り込み調査中。

・4/14、この村に駐屯していた武装警察の宿舎から突然火の手があがった。放火の疑いで調査中。

・武装警察が各戸を全部調査し、チベット人4人を拘束、5人を指名手配。


D4/16 広東省東莞市 賃金に不満の労働者ボイコット  暴動レベル0。

・4/16 東莞市の台湾系小型パネル製造企業の「東方万土達液晶顕示器」で、賃金に不満を持つ従業員2000人が仕事をボイコット。工場の前で散歩などをした。

・暴力行為はなかったが、その後ボイコット参加者は7000人に膨れ上がった。従業員総数は9000人。

・4/17 会社側が残業代を引き上げることを確約したので、その後収束。


E4/06 香港 フィリピン人:6000人ががデモ  暴動レベル0。

・香港の作家の差別発言「フィリピンは召使の国」に抗議して、フィリピン人:6000人がデモ。なお、香港には13万人の出稼ぎ者がいる。


F4/19 香港 「リーマン」被害者団体、3000人のデモ  暴動レベル0。

・米リーマンブラザースの金融商品「ミニボンド」を購入し大損をした被害者が、曽行政長官の辞任要求デモを敢行。


≪私の暴動評価基準≫

暴動レベル0 : 抗議行動のみ 破壊なし

暴動レベル1 : 破壊活動を含む抗議行動 100人以下(野次馬を除く) 破壊対象は政府関係のみ

暴動レベル2 : 破壊活動を含む抗議行動 100人以上(野次馬を除く) 破壊対象は政府関係のみ 

暴動レベル3 : 破壊活動を含む抗議行動 一般商店への略奪暴行を含む  

暴動レベル4 : 偶発的殺人を伴った破壊活動

暴動レベル5 : テロなど計画的殺人および大量破壊活動